バラバラに、ともに。遠藤まめたのブログ

LGBTの子ども・若者支援に取り組む30代トランスの雑記帳です

LGBTに関するエッセイが中学入試の問題にでる世の中になった

昨年出版した『みんな自分らしくいるためのはじめてのLGBT』(ちくまプリマー新書)が今春の中学入試の国語の問題で出題されたらしい。

粋な計らいをしてくれたのは自修館中等教育学校で、出題されたのは第1章の「友情」に関するエッセイ。本当の友達だったら秘密をもっていてはいけないのか。うそをついてはいけないのか。そもそも本当の友達ってなんなのか。他者との関係性や距離感、強いつながりと弱いつながりの、それぞれが果たす機能。そんなことについて書いたのが本章でした。

最初に出版社から依頼があったとき、読むのが10代と聞いて、内容を容易にする必要はないけれども、大人になったら考えなくなるような哲学的な問いにきちんと答える必要があるなと思って書いたので、読まれ方としてもきちんとそのように受け取ってもらえた感じがしてうれしいです。

最近も講演先の中学校で「まわりのみんなと私で、意見がちがったとき、どうしたらいいと思いますか」という質問があって、きちんと授業やれたんだなと思いました。LGBTの人って〜なんですか、という質問より、よほど自分ごととして考えてくれているんだなと伝わってくるよね。

(このときの自分の答えは、ちがう意見をその場で言ってもいいし、その場でみんなに言えなくても別の日に話せそうな人に言ってもいい。でも、言わなくってもいい、というものでした。私の意見はfont-daさんの「話さなくていい、声を上げなくていい」に近い)

font-da.hatenablog.jp

話は戻り、入試にのったということで、今度は大手学習塾で使われる中学入試対策の国語の問題集にも載ることが決定しました。これはかなり影響力大きいよね。日本中の小学生が、友達にカミングアウトすることの葛藤にまつわる文章を読むわけだから。

昨年は人気連載漫画「こっち向いて!みい子」にトランスジェンダーのキャラクターが出てくるなど、以前だったらなかった動きも出てきている。こちらもトランスジェンダー本人だけでなく友人の反応や、そもそもの校則について考えさせるなど深い内容だった。

今後もこういう流れが続いてくれたらうれしい。