バラバラに、ともに。遠藤まめたのブログ

LGBTの子ども・若者支援に取り組む30代トランスの雑記帳です

新刊が明日発売!これまでの本を振り返る

9月2日に、新しくまた本が出ます。

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今度の本は教員向けです。単著が出るのは5冊目。

似たような名前の本ばかり出してると思われそうなので、聞かれそうなことをまとめてみた。

Q.既刊『先生と親のためのLGBTガイド』とはどうちがいますか

タイトルが似てるけど今回の本は事例がめちゃくちゃ豊富です。2016年に『先生と〜』を出したときには、ひとりでコツコツ書き溜めた感があるけど、今回の本は半分が実際に取り組んでいる学校や生徒、NPOの実践についてのインタビューなので、これから実際に学校現場を変えていこうという人には真似がしやすいんじゃないかと思います。

背景として教育現場での授業実践や校則の見直しが2010年代前半に比べて、格段と増えて行ったことがあります。

Q.『先生と親のためのLGBTガイド』を持ってるので、今回は買わなくていいですか?

買ってください。血と汗の結晶です。

Q.執筆の裏話を教えてください

2年間の連載がベースになった本ですが、毎月連載がきつすぎて途中から締切日に書いているのが常態化へ。2021年の目標が「今年は連載をことわる」だったのに、あと1年がんばれば書籍化すると聞いて、秒で首をたてに振ってしまいました。ちょろかったのは、執筆過程ではなく私でした。

Q.本ってどうやったら出せるんですか。出したいです!

よく聞かれる質問なんですが、これまでの本は全部出版社から話をもらいました。参考にならないですね。参考になるとしたら、人に自分の文章を読んでもらう機会をとにかく作ることでしょうか。ブログやHPに書き散らしていた文章を出版社の人がみつけて、最初の本が出ました。SNSが便利な時代ですが、ある程度まとまった文章を書く習慣をつけると良いと思います。

Q.タイトルってどうやって決めるんですか?

毎回出版社の人が考えてくれます。私はネーミングセンスがないので、言われるがままにしています。

これまで出した本について振り返る!

せっかくなんで振り返ってみましょう。まずは2016年に出したこちら

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とにかく分厚い本です。著者割でたくさん買い取って自分や友人で500冊ぐらいは手売りしました。QA形式になってたり、普段の言動のふりかえりチェックシートがついていたりして、とにかく親切なつくりですね。はじめて本が出た時はとても感激して両親にプレゼントしました。 

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これまで出した中でいちばん赤裸々なやつですね。人を思いっきり笑わせたいし、泣かせてみたいという意欲があふれてました。本当はどの作品でも爆笑させたいんですが、なかなか「先生のための〜」とかだとそうはならないのが歯がゆいですね。

20代の頃に友達がやたら死んでしまった時期があって、自分自身も子ども時代のいろんなしんどさがあって、この本が出たときにはようやくいろんなことを忘れられると思った記憶があります。外付けハードディスクに似ているというか。著者にとってこれを書くのが必要で、だけどあとになってから絶対に読み返したくはないんだろうなという書籍がときどきあるけど、そんな本(最近だと崔実さんの『ジニのパズル』に似たようなもの感じました。向こうは受賞作品ですが)。

この本を出してから講演のときに自分の子ども時代の経験を語ることは減り、制服を着る悪夢を見る機会が減ったのはよかった!

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タイトルはまじめだけど、そこそこ笑わせにいっているやつ。もう少し不真面目なタイトルが良かったんじゃないかと思うけど、広辞苑LGBTの説明が間違ってた騒動とか、テレビでのLGBTの表現についてとか、日頃めにふれるニュースをネタに性の多様性について考えるのにはとても良いんじゃないかと思う本。ベースになっているのはWezzyで連載していた「トランス男子のフェミな日常」。当該連載をはじめた当初はトランスヘイトの昨今の現状は夢にもみていなかったので、一寸先は闇とはこのことですな。第二章はすべてトランスジェンダーフェミニズムについて書かれています。

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10代向けの本は、難しい内容を単純化することはないけれど、大人だったらスルーしてしまうような哲学的な問いに対してきちんと向き合う必要はあるなと思って書いた本。第二章の「個性」とか、登場人物がLGBTのキャラクターですらなくて、この本は本当にLGBTについて書いている本なのか混乱した読者もいたらしく、しめしめと思った。ここに出てくる架空の登場人物は基本的にはカタカナなのだが、4章に出てくるトランスジェンダーのジュンの恋人・桜だけが漢字になっている。フツーの彼氏になれずに思い悩めるジュンに対し、フツーに興味がなく、ジュン君を弟のように可愛がっている桜だけがこの本に出てくるユースの中で「大人」で、だから桜だけが漢字・・というのは後付けの理由であり、実際には表記ユレです。

 

他にも共著だと『思春期サバイバル』シリーズがあり、こちらも近く最終巻が出ます。そう、第3巻あるんです。お楽しみに!