SNSを中心にトランスヘイトが拡散されはじめて数年が経つ。
この惨状になにかをしたいという人は潜在的にたくさんいるが、なにをしていいのかわからない人が多いだろう。どうしてトランスの人に意地悪なことを言うのだろうと思っても、言い返す言葉を持っている人も少ない。
そもそもトランスに差別的なことを言っているひとも、差別をなくしたいと思っているひとも、トランスの知り合いがそんなにいなかったりする。トランス当事者ですら、当事者の知り合いが少なかったりする。トランスジェンダーの人口は1%未満、トランスの中でも現在槍玉にあがっているトランス女性にいたっては人口の0.1%もいない。
よくわからない人だからひどいことを言ったり思考実験のネタにされたり、ということが繰り返されている。この構造を踏まえた上で、どうしたら差別に対抗できるのか、比較的とりやすいアクションを考えてみたので羅列する。
① 優良コンテンツをひとこと添えて拡散する
いちばん大切なのは自分が学ぶこと、周りが学ぶための機会を作ることだ。Netflixには「リトル・ガール」や「トランスジェンダーとハリウッド」といった啓発的なドキュメンタリー映画がアップされている。NHK for Schoolには「ファーストデイ・わたしはハナ!」が全4話公開されており授業で使うときのアドバイスなども載っている。それらを鑑賞してコメントを添えて拡散してほしい。
YouTubeの動画はこちらにもよさそうなものをまとめている。
自分で作ったものを優良コンテンツと呼ぶのは烏滸がましいが、トランスジェンダーについて全然知らない人にもわかるようなFAQも作成したので、このようなリンクを拡散してもらえるのもありがたい。
マジで世間の人たちはトランスのこと何も知らないので、まずベースのところからちゃんと知識をもってもらえるように協力お願いしたい。みんなひどい炎上コンテンツはリツイートするけど、いいコンテンツについては反応少なかったりするので、マジでそこんとこ頼みます。
②上映会を企画する
現在行われているトランス排除運動は、宗教右派が女性の不安を意図的に利用して煽動する国際的なキャンペーンが背景にある。ドキュメンタリー映画「最も危険な年」は、90分ほどのドキュメンタリーで、このからくりが大変よくわかりやすく描かれている。またトランスの子どもたちや家族の姿について知る上でも大変貴重な作品となっている。4−5万円あれば自主上映会を企画できる。監督との交渉が必要となるので、関心がある人は遠藤まで連絡してほしい。
③冊子「トランスジェンダーのリアル」をひろめる
当事者のリアルを知ってもらうよう作られた無料冊子「トランスジェンダーのリアル」は教育機関や行政にのみ配布しているが、寄付するとデータを入手できる。まずは自分で学んで、もし地域の図書館や公民館に足を運べそうなら、このチラシを持って冊子をおいてもらうように注文しよう。
④ 寄付をするなら
上述の冊子「トランスジェンダーのリアル」は増刷のための寄付を集めている。寄付したぶんだけ、増刷や送料に使われる。こちらの寄付は随時募っているので、協力してもらえるとめちゃくちゃありがたい。
ほかにもいろいろある。
トランスジェンダー の生活をよくするために、もっと踏み込んだアクションが取れる人には、ぜひ制服自由選択制について役所にメールをいれてほしい(若年層の当事者にとって学校で安心して学ぶ権利を奪うもっとも大きな障壁の一つが制服になっている)。当事者の子どもや家族のサポートもかなり重要だ。そのあたりについては、また別の記事で書くかもしれない。本日はいったんここまで、ということで。
5月26日追記
トランスヘイトをなくしたい人向けに、公式LINEアカウント「みんなでなくそうトランスヘイト」も開設したので、よければぜひ登録ください。