バラバラに、ともに。遠藤まめたのブログ

LGBTの子ども・若者支援に取り組む30代トランスの雑記帳です

トランスを知るためのQ&A(初心者編) ④

Q.4 性別を変えるってどういうこと?

大きく分けて「社会的な性別を変えること」と、「からだの外見を変えること」の2つがあります。何を、どのように変えたいのか・変えられるのかは、人によって異なります。


社会的な性別を変えるには

たとえば服装や髪型、振る舞い方、人間関係における扱われ方、名前などを、本人がよりフィットするものへと変える方法があります。一度にすべてを変えようとするのではなく、少しずつ試してみることで、なにが本当にフィットするのかを模索することができます。

名前であればニックネームや通称名として周囲に呼んでもらうことから始めて、しっくり来たら家庭裁判所で改名の手続きを行うのもよいでしょう。


からだの外見を変えるには

ホルモン療法や性別適合手術(生殖器の手術)、脱毛などの方法があります。ホルモン療法では、男性ホルモンや女性ホルモンの投与を行うことで、外見の印象が大きく変わります(個人差はあります)。

一方で、いちど始めたら元通りにはならない側面があること、副作用もあることなどから、これらの療法を行う際には、医師によるきちんとした説明や定期的な検査を受けることが大切です。

治療の影響や副作用について日本語で読めるもっとも信憑性が高くて詳しい資料はこちら:トランスセクシュアル、トランスジェンダー、ジェンダーに非同調な人々の健康のためのケア基準(SOC)

日本では、二名の精神科医による性同一性障害の診断を受けた上で、これらの不可逆的な「治療」を行うといったガイドラインが定められています。

 

戸籍の性を変えるためのハードル

なお、現在の日本では、性別適合手術を受けることなどの一定要件をクリアした場合にのみ、戸籍の性別を変えることができます(「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」)。

 

社会的な性別や外見が大きく変わったあとでも、パンツの中身を理由として、法的に「元の性別」のままで扱われるのは、たいへん不便なことです。身分証の性別が一致しないことから、就職や結婚、家探しに苦労し、病院で冷や汗をかき、レンタルビデオ屋の会員登録もできない人たちがたくさんいます。法律のために、本人が不要と思っている手術を選択せざるをえないトランスの人もいます。

 

fairs-fair.org

 

これは手術や離婚を要件とした性別変更のあり方に問題提起する動画。

結構ショッキングなので閲覧注意(だけどこれが現実。日本は未成年の子どもがいてもいけないのでもっとひどい)。

www.youtube.com