「きんきトランスミーティング」が立ち上がります
今度登壇するイベントのお知らせ
2020年2月9日(日)午後に関西大学梅田キャンパス8F大ホールにて「トランスジェンダー を語り直す 〜マイクロアグレッションって?〜」というイベントを開催することになりました。
主催はきんきトランスミーティング、略して#きんトラ。
タイトルは、トランスってトランスじゃない人からあれこれ語られてばかりだから、トランスが自分たちのことを語りたいよね、という想いでつけました。
イベントの申し込みはここからできます。
きんトラでは近畿地方で、これから定期的にイベントやカフェ(KinkyCafeってネーミングセンスすごいと思う)を開催していくようです。
関西の人たちはぜひよかったら参加してみてください。
新刊も買えるよ!
ツイッターランドにおける140字による応酬に限界があるなと感じる今日この頃ですが、私の来週発売の新刊『ひとりひとりの「性」を大切にする社会へ』は第二章をまるまるトランスジェンダーとフェミニズムについて割いているので、よかったらこれをベースに議論してもらえると、混沌から多少抜け出せるのではないかと期待しています。会場では新刊も買える予定ですので、よかったらお求めください。ただの宣伝です。
ちなみに、マイクロアグレッションって?
反差別の運動では長らくジェノサイド(大量虐殺)も「あいつらは死ね」みたいなヘイトスピーチも「トランスは不採用」みたいな行動も「女性医師を看護師だと勘違いする」みたいな態度も、すべてまとめて差別と呼んできたわけですが、ちょっとそのアプローチ方法には限界があるよね、という議論が出てきて、差別を分類して考えるアプローチが広まっています。
マイクロアグレッションは、悪意がなく無自覚に行われる、差別なのかどうかもグレーだけれど、やられた人にとってはモヤモヤする事柄のことを言うそうです。友人はプチ土足と呼んでいました。
最近は「ゲイきもい」「トランスは昇進させない」みたいな言動をSOGIハラと命名し法律や条例で規制していこうという動きがあるけれど、マイノリティが日常的に苦しむのは、そういう「わかりやすいもの」ばかりではなく、むしろ「彼女/彼氏いないの?」「忘年会のビンゴの景品が男女別」みたいな、これらは法律でどうこうできることではないし、他の人たちは全然気にならないのに、自分の経験が無価値化されてしんどい。うう、どうしたものか。みたいなものの蓄積だったりして、法的解決の外にあるものをどう乗り越えるかの視点も重要なわけです。あいまいな差別の方が、実はマイノリティの健康を害する要因になるという研究もあるみたい。
この映像もわかりやすい。
トランス差別に対抗する方法が、昨今では「とりあえずトランス女性は女性です」と表明することで止まっている印象があり、それ以上のことはよくわからないと思っている方が多いので、もうちょっと先に行けたら良いのかなと思っています。だれがどう見ても陰湿なザ・トランスいじめに反対するのも大切だけれど、トランスの経験を無価値化せず、生身の価値あるものとするための語り合いもはじめませんか。
というわけで、ご予定合う人はぜひご参加ください。
マイクロアグレッションというキーワードは、今の日本の反差別教育でもとても重要な切り口だと思うので、日本でもどんどん使われていくと良いな。