バラバラに、ともに。遠藤まめたのブログ

LGBTの子ども・若者支援に取り組む30代トランスの雑記帳です

今年こそ居場所づくりを再開したい/はじめたい方へ

2023年が始まりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。コロナ禍に突入して、相変わらず感染者は多いけど、そろそろ日常のあれこれが正常化してきた頃かと思います。年末に、久々に各地のLGBT団体のサイトを見ていたら、交流会が停止したままのところが多くて、コロナの影響だなと思いました。んで、このブログは新しい年だし、そろそろ再開しませんかというお誘いです。新しく居場所を始めたいという人にも参考になると思います。

モチベーションが高いお正月がチャンス

エアコンはスイッチをONにした時が一番エネルギーを食うと言いますが、それと同じ。止まってたものを動かすのって面倒くさいですよね。だから「2023年だし」みたいなそれっぽい理由で「そろそろ居場所、再開しませんか」みたいに団体メンバーに打診してみてもいいんじゃないでしょうか。止まった活動を再開させる時の一番の敵はモチベーションじゃないかと思うので、交流会みたいなイベントは開催してみて「楽しい!」と思えば続く部分もあるんじゃないかという無責任な提案です!

大人の居場所をやってほしい理由

私はにじーずというLGBT(かもしれない人を含む)子ども・若者の居場所をやっています。

24zzz-lgbt.com

札幌から岡山まで全国10都市近くに拠点があり、毎月から隔月1回の頻度でそれぞれ対面でみんなで集まって遊んだり話したりしています。コロナ禍でも活動を続けてきたのは、ステイホームすることによる若年当事者の孤立や各種リスク(親から受け入れられず心無い言動を日々されている場合もある)を考えてのことです。

にじーずの活動を全国展開するにあたっては、持続可能に活動をしていくための拠点選定の条件がいくつかあります。そのひとつの要件が「LGBTの大人の居場所が地域にあること」です。だって子どもの居場所を開催しているのに、24歳になったらサヨウナラでは無責任じゃないですか。

先ほど上記で無責任な提案をしていたのにも関わらず、ここではいきなり責任感を発露してしまいました!すみません!

でも大人が孤立している地域社会で、子どもや若者が希望を持てるかといえば、やっぱり厳しいかなと。進学などをきっかけに都会に人口流出していくのも地方在住者のリアルのひとつかもしれないけど大人のLGBTの居場所、全国にほしいです。

 

居場所が続くコツ

これまで18年ぐらいLGBTコミュニティで活動してきた中で仲間がバーンアウトしたり、会が解散したり、いろんなことも見てきました。人によって運動哲学は違うけど、以下のことは参考になるんじゃないかと思って、箇条書きにしてみます。

 

① 居場所は、毎回同じ場所でやったほうがいい

「次の会をやるにあたり、会場の予約がうまくいかない」ことは、意外と会の存続とメンバーのモチベーション維持の障害になります。これが命取りで、事実上の活動停止に追い込まれてしまったグループ結構ありますね。

県がとっても広くて3か所で持ち回りでやりたい、などの理由を除いて、基本的には同じ場所でやるのが参加者も迷子にならなくて良いと思います。予約を取りやすい施設をホームグランドに決める、というのもストレスがなくていいですね。スティーブ・ジョブズは決断の数を減らすために毎日同じ服を着ていたそうですが、それと同じです。

 

②予定は、できるだけ固定する

次どこでやろうか、みたいなことに時間を費やしたり、全員の時間をあわせようと手帳見て結局なんだかんだ決まらない、みたいなのも避けられるなら避けましょう。

「第三日曜にやるから、そこの予定はみんな空けておこう」ルールも楽だし、それが難しい場合も、次回の約束をしてから解散する方が無難。

 

③ 運営に関する会議はなるべくオンラインで

コロナ禍で一番良かったことはビデオ通話が日常生活の中に浸透したことかなと思います。以前は自分も仕事の後に、電車で30分移動した会場に行って、そこで会議をして、1時間半かけて帰宅するのが当たり前だったけど、こういうのは持病があったり、家が遠かったり、育児などをしてる人からすると参加障壁ですね。通話が終わったら、風呂入って寝られるのは最高です。議題を決めて、1時間半と時間を決めて、さっさと終えましょう。ビデオ通話だと画面共有で資料が見えたり、議事録で何の話をしているのか見えやすくなったりする利点もあります。

以前、大阪の労働組合が仕事後に会議&飲み会をするやり方を改め、オンラインを導入したら初めて女性や若者の参加率が上がったという話をしていました。オンラインによって参加できなくなる層もいる場合をのぞき、技術的に切り替え可能なグループであればオンラインの方が持続可能かなと個人的には思います。

 

④やらないことを決める

to do(やること)を決めるのと同じか、それ以上にnot to do(やらないこと)を決めるのは重要だと、いろんな本に書いてあります。グループも同じですね。にじーずの場合には、not to doとして大人の居場所づくり、常態化されたタダ働き、無秩序なフロア運営など、団体を立ち上げた時から自分の中で決めているルールがあります。これは団体のカラーなどによって色々変わってくると思うので、これから立ち上げる方はぜひ参考にしてもらえたらと思います。

なお、居場所を新しく始めたい方は、にじーずはグランドルールを他団体でも一定の条件で使えるように公開しているので、良かったらこちらも参考にしてみてください。

 

以上、いろいろと無責任に書いてみました。結局、責任感があるのかないのか、どっちなんだ。今年も一年よろしくお願いします。