バラバラに、ともに。遠藤まめたのブログ

LGBTの子ども・若者支援に取り組む30代トランスの雑記帳です

トランスを知るためのQ&A(初心者編) ⑨⑩

 Q.9 男とか女とかじゃなくて、その人らしく生きればいいよね?

だれもが自分らしく生きられる社会は理想的です。

しかし、実際のところ、いま私たちが生きているこの社会は、24時間365日、執拗に、あらゆる場面で性別を問われ、それにより異なる期待をし、異なる扱いをする社会です。

「男も女も関係ない」「性別なんて気にしないで!」と言い切ってしまうのには、性別はあまりに「ある人を構成する要素」として大きな部分を占めています。「その人らしく」が実現できるのは、その人の性同一性がきちんと尊重され、まっとうに扱われる場合だけです。

「その人らしく」あることは大切ですが、男や女であることも大切です!

 Q. 10 家族や友だちにできることは?

その人が新しい性別で生きようとしていることを、ぜひ応援してください。

次のことも役立つでしょう。

  1. 本人の希望する名前や代名詞(彼・彼女/名前がいいなど)、くん・さんづけで呼ぼう。分からなかったら訊こう。これまで間違ってたら直そう。
  2. 本人の許可なく他の人に言わないで。その人のアイデンティティがどのような性別なのか、だけでなく、性別変更した事実や以前の性別、名前を知られたくないと思う人がいます。
  3. 「どこまで手術してるの?」「どんな体なの?」「どんなセックス?」「本物の女/男みたい」「本当の女/男らしく見せるには」「昔の写真みせて」みたいなウザいことを言わない。クソバイスしない。
  4. 性的指向を決めつけるのはやめよう。トランスであっても、好きになる相手の性別はいろいろです。またトランス女性を好きになる男性=ゲイではないですし、トランス男性を好きになる女性=レズビアンではありません。トランスのパートナーに対してあれこれ決めつけるのもやめましょう。 
  5. 本人が使っている言葉をつかおう。トランス、オカマ・オナベ、元男子・元女子、オネェ系、ニューハーフ、性同一性障害etc. いろんな言葉があります。他の人は平気でも、その人にとってはつらい言葉がたくさんあります。その人は自分のことをなんて表現していますか?
  6. 困っていることがないか訊こう。トイレ、服装、旅行のお風呂、人間関係。いろいろあるかも。一緒にトイレに行ったり、風呂に困ってないか声をかけたりすると相手はほっとするでしょう。
  7. レッテル貼りをやめよう。トランスであることは「深刻な障害」とか「個性☆」とか、そんな単純な話ではありません。
  8. 性別を問わず使えるもの・楽しめるものを増やそう。男性だけ、女性だけの場を使えるトランスの人もいれば、そうでないトランスの人もいます。性別を気にせず使えるものを増やせないか、書類にいらない性別欄がないか、忘年会のビンゴの景品を性別でわける意味はあるのか考えましょう。性別を問わないトイレを作るのもよいでしょう。
  9. トランスの人と一緒に何かやろう。イベントのスタッフを一緒にやるとか
  10. 単に友達として「その人」との出会いを楽しんで一緒にすごそう。