バラバラに、ともに。遠藤まめたのブログ

LGBTの子ども・若者支援に取り組む30代トランスの雑記帳です

トランスを知るためのQ&A(初心者編) ⑦⑧

Q.7 性別って2つだけじゃないの?

「性同一性」(自分をどのような性別だと思うのか)のあり方は、人によって大きく異なります。

あるトランスの人は、自分自身を男性や女性であり「中間」ではないと捉えます。別のトランスの人は、自分自身のことを「男性と女性の中間」や「どちらでもない」「両方」「やや女性/やや男性より」といった風に捉えています。性別のあり方は、虹のグラデーションのように個々人によって色合いが異なります。

いまの時代において欧米中心的な文化・制度が、性別を2つに決めていますが、絶対的なものではありません。そもそも性別(ジェンダー)は、社会が生み出したものです。

インドネシアのブジス族では性別は5個、インドではヒジュラと呼ばれる「第三の性別」があります。サモア島、メキシコでも同様です。オーストラリアでは2014年に、パスポートの性別に男でも女でもない性別記載が可能となりました。

性別をめぐる人々の考え方によって「数え方」や見方は変わってくるでしょう。

 

Q.8 FTMは男らしく、MTFは女らしく、Xジェンダーは中性らしいんでしょ?

 世の中には凛々しい女性も、かわいらしい男性もたくさんいます。

サッカーや釣りや電車が好きな女性も、お花やダンスやテディベアが好きな男性もいます。

同様に、男らしくないFTMも、女らしくないMTFもいます。

中性的に振る舞っているからといって、その人がXジェンダーとは限りません。

 

ある人がどれくらい男らしいか、女らしいかを表す概念を「性表現」と言います。

「性表現」は、その人のもともとの性格や性質、世渡りする上でのキャラ設定などと関連しているかもしれませんが、その人が自分の性別についてどう認識しているのか(「性自認」)とは、また別モノです。

 

男らしくなくても、男性は男性です。女らしくなくても、女性は女性です。

(せっかく「らしさ」から離れられるチャンスなのに、「Xジェンダーというものは…」「中性らしい」なんて言わないで…!)