バラバラに、ともに。遠藤まめたのブログ

LGBTの子ども・若者支援に取り組む30代トランスの雑記帳です

就職後も活動を続けるにはどうしたらいいか

学生サークルでよく出る話題

最近、知人らと「就職後も活動を続けるにはどうしたらいいか」という学生からの質問にどう答えるか、という話題で盛り上がったので、ちょっとまとめておこうと思う。

時間がなくなる?

私の場合、大学1年のときからLGBTに関する活動を始め、休日のほとんどをイベントやミーティングに費やした。学生団体のミーティングは6時間以上にわたることもあって、昼から始まって夜8時ぐらいに終わって、それからごはんに行って、また長い話し合いになって・・という持久戦だった。こういう生活をしていると、当然「就職したらどうなるんだろう」という不安は出てくる。就職したら、毎晩残業させられて、クタクタになって、休日は何もできなくなるんじゃないか。自分にはどうしても変えたい「**」という社会課題があって、それを変えることが人生のミッションぐらいに真剣に思っているのに、このままいくと何もできない社会人とやらになってしまうのではないか、という危機感だ。まぁ、わかるよ。

考えられる方法3つ

このような悩みを持っている場合、おそらく3パターンの方向性が考えられるのではないかと思う。

一つめは、共感できる組織に入ること。活動そのものが仕事になってしまえば、あるいは、業務時間内に社会課題に関われたら最高だ。共感するNGOで働く、企業のCSR部門やダイバーシティに関する部門に行く(なかなか難しそう)、弁護士などの専門資格を取って活用する、政治家になるための準備をするなどが該当する。

自分が起業する方法もある。NPOの活動を支援している団体、私の場合にはNPO法人ETIC.がやっているイベントにいくつか参加したのは参考になった。私が就職活動をしていた10年ぐらい前は社会起業家ブームで、社会課題を解決するために起業する人たちが注目を浴びていた。ジャンルによっては有効かもしれない。

最後に、仕事はライスワークと割り切って、業務時間外に好きなことをやる方法もある。なるべく残業が少ないところを選ぶのがポイントか(ちなみに私はこの道を選んだ)。

自分がどれだけリスクを許容できるか、お金がどれくらい必要か、何が優先順位かなど個人差があると思うので、その中から総合的に判断することになるだろう。

定時後に活動する方法

私の場合には地方公務員の専門職で7年ほど働いた後、自分の許容できるリスクの範囲内で非営利組織に転職した。私の配属された部署はさいわい残業はほぼ無く(地方公務員でも残業だらけの部署はある)20代で体力のあった頃は平日夜に2〜3時間は活動関係に時間を費やせた。

でも30歳手前で持病を抱えることになり、平日夜はほとんどパソコンに向かえなくなった。今思えば、昼休みにケータイの留守電にメディアからの問い合わせが数件溜まっているのをさばいたり、通勤電車の中でメールを大量に返したりしてたのは体力のある健常な若者だからできたことだと思う。

地方公務員には兼業禁止規定があるが、出版は自由にできるし講演や有償ボランティアができる場合もある。また特定の行為をのぞき政治活動も行える。地方公務員法をまずはよく読んだ上で必要なら職場で手続きをとるべし。

時間を有効に使うには

長時間労働は諸悪の根源だ。人間から余裕を奪い、学びの機会を遠ざけ、こうして諸問題は解決されず社会は停滞する。だから日本の職場の働き方を改善することが、そもそもの大前提としてとても重要だ。

その上で、働きながら何かを変えたいと思っている人は、やっぱり時間をどう上手に活用するかがポイントになってくるだろう。

今の時代にはインターネットを活用しない手はない。私はオンライン署名サイトで働いているが、ここで出会う人たちの大半は「仕事をしながら社会活動をしている」人だ。賛同人を募るという署名ならではのスタイルを取らなくても、もしインターネットの海の中で自分の考えを発信し、他人からアイデアをもらい、仲間を集めたいと願うなら、自分の想いや考えをまとめて表現する能力は重要になる。

文章を書くのか、ツイキャスYouTubeで喋る方が好きか、イラストが得意なのか、人によると思うが、自分なりの伝える能力を持つことが大事だ。それを鍛える機会としてブログでもnoteでもTwitterでも活用してみることをおすすめしたい。

ミーティングも、6時間ぶっ続けでやる体力は枯渇すると思うので、短くやるための方法を学ぶべし。これは会社に就職する人なら、そこの先でスキルをパクってもいいと思う。

学生サークルのメリット

 社会人になってから「友達」を作るのはなかなか難しい。社会人のミーティングは学生のそれより短いし、終わった後の飲み会とかも学生ほど悠長に時間をつかえない。時間短縮のために顔を合わせるのもZOOM(テレビ電話)となると、くだらない話や悩みを語り合う時間、のんびりケンカしている時間がなくなってしまう。

インターネットは活動を効率化することはできても、たわいのない会話や余計なやりとりやケンカには向かない。それをリアルで時間をかけてやれることこそ学生の強みかもしれないから、「効率化の圏外」にあることをたくさんしておくと、社会人になった後に経験が生きてくるんじゃないかと逆説的に思う。

思いついたことがあれば補足します。