バラバラに、ともに。遠藤まめたのブログ

LGBTの子ども・若者支援に取り組む30代トランスの雑記帳です

性の多様性の授業で使っている動画とワーク

昨年度、中学生向けの性の多様性のワークショップ案を大阪市の委託で友人たちと製作した。自分で言うのもなんだけど、結構いいクオリティのものができたんじゃないかと思っている。

素材がインターネット上でも無料でダウンロードできるようになっているので、このブログでもまとめておこう。

LGBTの授業じゃなくて性の多様性の授業

この学校・クラスにいるみんなもなるほど一人ひとりちがうところがあるんだな、という気づきが持てるような仕組みになっている。

活用の手引き、スライド、ワークシートも全部ここからダウンロードできる。

大阪市の委託で作成したDVDでは当事者へのインタビューなども盛り込んでいるけれど、そのパートがなくても(大阪市外の人は入手困難かもしれない)授業として全然成立すると思う。

 

授業ではまず動画を見てもらう。

www.youtube.com

映像を作ってくれたのは友人の飯塚花笑監督。

親友からカミングアウトされた少年が主人公になっているのは、自分も友達から打ち明けられるかもしれないというリアリティを持ってもらうのにいいかな、と思ってそのように設定してみた。

映像を見た後は、打ち明けた子はなぜ打ち明けようと思ったのか、なぜこれまで言えなかったのかをそれぞれ生徒に考えてもらう。

 

その後、ことばカードを使ったワークをやってもらう。

日頃みんなが使っていることばがカードになっていて、それをグループごとに「全然問題ない青信号」「注意が必要な黄信号」「誰かが傷つく赤信号」に仕分けしてもらう。「先生そんなんやから彼女できへんねん」とか「昨日テレビでみたオカマ面白かった」とか「あの子なんでいっつも水泳休んでんの?」とか、結構これがグループごとに判断が分かれる。ファシリテーターはみんなの意見が違うのを肯定的に受け止めるスタンスでまず臨み、異なる意見のグループの人に「赤信号にした理由」「青信号にした理由」を質問してみたり、どういう表現やどのようなシチュエーションだったら問題がなくて、どのようなニュアンスだったら問題だと思うか、などの議論が可能。。カードを使ったワークショップは一緒にこの授業案を作った武田緑さんのアイデアで、子どもたちも盛り上がるので良い。

 

授業が2コマ取れる場合には、その後に性の4要素の説明やLGBTなどの用語解説、カテゴライズは万能ではないこと、性的少数者の権利を守ろうということに限らず一人ひとり違うことを大切にする方法を考えていこう、という話をしている。授業が1コマの場合にはことばカードのワークはなしで、冒頭の動画を使った短めの授業をしている。

 

市のホームページに上がっていて、無料で使えて便利なので、せっかくなのでもう一度宣伝してみようかなと思って紹介してみました。よかったらぜひ使える部分を活用してみてください。